アメリカのアメフトプロリーグ(NFL)のマイアミ・ドルフィンズの本拠地「ハードロック・スタジアム」は、ファン体験向上を目指し、新たにセンサリールームと授乳室を整備すると発表した。
センサリールームはスタジアムのセクション153に開設される予定で、床や壁には、自閉症などの発達障害に苦しむ人々の支援を専門とするNPO団体の「ダン・マリノ基金(Dan Marino Foundation)」が寄付するクッション材や遊び道具が取り付けられ、空調も完備される。
ザ・ダン・マリノ基金のメアリー・パーティンCEOは、ハードロック・スタジアムでのセンサリールーム整備について次のように語った。
「ハードロック・スタジアムはこれまでにもノイズキャンセリング・ヘッドホンやストレス開放アイテムなどのグッズを提供してくれていました。新たにセンサリールームが整備されることで、必要に応じて静かで落ち着ける空間に行くことができるようになり、感覚過敏のお子様を持つ家族連れのお客様も、安心してスタジアムに来場できるようになるでしょう」
センサリールームには、インブーム自閉症サービス(InBloom Autism Services)から派遣された行動学の専門家が常駐し、来場客をサポートする。
また、センサリールーム空間の環境管理用のタブレット端末「Surface」はマイクロソフト(Microsoft)社が、そして、ノイズキャンセリング・ヘッドホンはボーズ(Bose)社が無償で提供する。
センサリールーム同様にセクション153に整備予定の授乳室も空調完備で、授乳スペース、テレビ、おむつ交換台、鏡付きの化粧台などが用意される。利用客のプライバシーを守りつつ、快適な授乳環境を確保するため、専属スタッフが常駐し、必要に応じてサポートを提供することになる。
マイアミ・ドルフィンズのサム・コグヒル人事・業績管理担当バイスプレジデントは、新たな整備計画について、次のように説明した。
「ハードロック・スタジアムでは、常にお客様が快適に過ごせるようサポートしており、(新施設の整備により)感覚過敏や授乳といったニーズを持つお客様にもドルフィンズのサービスを提供できることを楽しみにしています。
両施設の整備は、ハードロック・スタジアムのスタッフのアイディアから生まれたもので、ダン・マリノ基金というパートナーの協力により、センサリールーム整備計画が実現します。ドルフィンズにとっても非常にありがたいプロジェクトで、すべてのファンに安全かつインクルーシブな空間を提供できることを嬉しく思います」
2018年は、同じくNFLのミネソタ・バイキングスとインディアナポリス・コルツも本拠地スタジアムに授乳室を開設しており、シカゴ・ベアーズも昨年に本拠地「ソルジャー・フィールド」に同様の施設を開設した。
近年、北米の多くのプロスポーツ施設が、すべてのファンに今まで以上の来場体験を提供する目的で、センサリールームを整備する動きが活発化している。
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元記事 - HARD ROCK STADIUM ADDS NURSING AND SENSORY SPACES
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