編集者コラム第7回~ゆくスタ くるスタ・ロシアW杯編~
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こんにちは、編集長の有川です。

今年もあとわずか。そこで、「ゆく年くる年」ならぬ「ゆくスタくるスタ」をテーマに、久々のコラムを書いてみようと思います。今回はゆくスタ。

今年は、国内はもちろん、シンガポール、イギリス、アメリカ、そして韓国、台湾でスタジアムを巡る機会がありました。

THE STADIUM HUBを見ていただいている方々に紹介したいスタジアムは沢山あるのですが、2018年といえば...ということで振り返ると、やはりFIFAワールドカップで訪れたロシアを取り上げないわけにはいきません。

モスクワ、サンクトペテルブルク、エカテリンブルク、ヴォルゴグラード、カリーニングラード、カザンで試合観戦しました。その中で日本戦(対セネガル、ポーランド)が行われた2つのスタジアムを取り上げます。

ロシアは広大な国土を有するため、国内で時差は10時間もあります。そして、今回の大会の開催都市は地方都市も多く、そのほとんどがモスクワ経由でしか飛行機の便がなく、移動手段、移動時間、時差を計算しながらの旅となりました。

■エカテリンブルクアリーナ

エカテリンブルクアリーナ
(撮影:有川久志)

大会前から大注目のスタジアムでした。それというのも、仮設スタンドの"半端ないはみ出し具合"。もともとはスピードスケートの大会も実施するような競技場だったのを、今大会のために改修。2017年に全面屋根付きで44,130人の収容規模のものに生まれ変わりました。

大会後は、"半端ないはみ出し具合"の仮設スタンドの撤収などで、23,000人収容になります。地元にはロシア1部のFCウラルがあり、本拠地として引き続き利用されます。

前回大会のブラジルではいくつかのスタジアムが廃墟と化しているものもあり、非常に現実的なやり方だと思います。

また、街の中心部からバスやトラムでアクセスできるのも魅力。徒歩でも行けます。

日本がセネガルと戦った6月24日は日曜日。地元の多くの人にも、日本サッカーの良い印象を残せた試合だったのでは、と感じました。

エカテリンブルクアリーナ
半端ないはみ出し具合の仮設スタンド(撮影:有川久志)

エカテリンブルクアリーナ
(撮影:有川久志)

■ヴォルゴグラードアリーナ

ヴォルゴグラードアリーナ
(撮影:有川久志)

ヴォルゴグラードは、1925~1961年まで「スターリングラード」と呼ばれた都市。1942年に繰り広げられたスターリングラード攻防戦の舞台として、ナチスドイツ軍を撃退したことで"英雄都市"と位置付けられました。

この地で一番の観光スポットは"ママエフの丘"。この地に来る人は必ず訪れる場所です。高さ52メートルの"母なる祖国像"はまさに荘厳。

そして、ママエフの丘から一望できるのが、ヴォルゴグラードアリーナ。特徴ある外壁を、丘を下りながら見ると、思わず歩を早めてしまいます。そして、スタジアムの向こう側には"ロシアの母なる川"ボルガ川が見えます。

45,568人収容のスタジアムは、建設費280億円で新設。スタジアム近くまでメトロが走っており、アクセスも申し分なし。ただし、エカテリンブルグとは対照的に、後の利用に問題が残ります。

FCロートル・ヴォルゴグラードという地元クラブがあるのですが、ロシア2部リーグ所属。ロシア2部リーグの平均観客数は、日本のJ3リーグ並みの3千人弱とのこと。

運営費の赤字分は、自治体(ヴォルゴグラード市)が埋めると聞きました。美しい街、美しい外観のスタジアムと比して、今後が心配になってしまうスタジアムです。

日本とポーランドの試合も時間稼ぎのボール回しなどあって、場内はブーイングの嵐。スタジアムの外と中、色々な印象が交錯するスタジアムとなりました。

ヴォルゴグラードアリーナ
母なる祖国像 (撮影:有川久志)

ヴォルゴグラードアリーナ
ママエフの丘から眺めるヴォルゴグラードアリーナ(撮影:有川久志)

ゆくスタは、2018年と言えば・・・という事で、この2スタにしました。

くるスタは、2019年と言えば・・・という事で、あのスタジアムにします。お楽しみに。

それでは、皆様が大好きなスタジアムと良いお年をお迎えできますように。


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