国際陸上競技連盟(IAAF)は、モナコのスタッド・ルイ・ドゥにスタジアム用大気汚染監視機器を設置した。
以前から大気汚染の深刻さについて喚起を促す活動を行なってきたIAAFは、今回の監視機器設置は大きな意味を持ち、新鮮な空気の必要性を周知する事業の第一段階となるとしている。
スタッド・ルイ・ドゥは主にサッカーのフランス、リーグ・アン(1部)のASモナコの本拠地として知られるが、IAAFの主要大会であるダイヤモンドリーグの開催地でもある。
モナコ公国の大公で、モナコ陸上連盟の会長と国際オリンピック委員会(IOC)の環境委員会委員長を兼任するアルベール2世は、今回の取り組みについて、次のように話した。
「これまで活用できなかったデータを用い、環境と選手の競技コンディションの改善を目指すIAAF大気汚染モニター・プロジェクトが、スタッド・ルイ・ドゥで実施されたことを、モナコ陸上連盟会長として誇りに思います。
2018年7月20日に開催され、過去最高の大会と絶賛されたIAAFダイヤモンドリーグのヘラクリスEBS(Herculis EBS)モナコ大会で初めて導入実験を実施し、今後もこの取り組みを継続していけることを喜んでいます。
このような監視機器がスタジアムに導入されたのは、スタッド・ルイ・ドゥが世界で初めてで、モナコ公国はスポーツ界における環境配慮分野の先駆者となりました」
また、IAAFのセバスチャン・コー会長は、次のように述べた。
「大気汚染は無言の殺人者として、選手の健康だけでなく、地域コミュニティや私たちの生活環境にも大きな影響を与えるものです。今回、IAAFとパートナー企業の提携により、大気汚染監視機器の設置事業が成功したことを喜びつつ、今後も世界中の大気質を改善できるよう、喚起を促していきたいと思っています」
スタッド・ルイ・ドゥ以外でも、今後、アルゼンチン、エチオピア、メキシコ、シドニー(豪州)、日本の陸上競技場で同様の監視機器が設置される。また、スタッド・ルイ・ドゥでは2個目の監視機器が設置され、スタジアムの両端で収集した大気汚染データを比較する。
これら6台の監視機器は、スペインのクナク・テクノロジーズSL(Kunak Technologies SL)社によって提供される。
IAAFと国連環境計画(UN Environment)は、2018年5月に大気汚染問題に取り組むパートナーシップ協定を共同発表しており、今回の設置事業は、今後5年間で世界中のIAAF認定陸上競技場に、大気質データのリアルタイム収集用監視機器を1,000台設置する大型事業の第一弾として注目を集めていた。
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元記事 - IAAF SETS FIRST WITH STADIUM AIR QUALITY MONITOR
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