アメリカのメジャーリーグ・ベースボール(MLB)のアリゾナ・ダイヤモンドバックスは、フェニックス地方の天候の影響による芝の問題を受け、本拠地「チェイス・フィールド」の芝生を現行の天然芝から人工芝に変更すると発表した。
ダイヤモンドバックスは、すでに同球団とパートナーシップ契約を締結しているショウ・スポーツ・ターフ(Shaw Sports Turf)社が野球専用として開発した「バッティング・ア・サウザンド・ナチュラルターフ(Batting a Thousand' Natural Turf＝B1K)」を2019年シーズン開幕まで敷設する予定だ。
ダイヤモンドバックスのデリック・ホール球団社長兼CEOは、今回の発表について次のように説明した。
「当球団の運営職員が開発現場の視察や選手によるテストなど、包括的な調査をした結果、B1Kを使用することがダイヤモンドバックスにとって最良の判断であると合意しました。調査により、この芝でプレーすることによってもたらされるパフォーマンスおよび健康上の恩恵も明らかになりました。
これは、以前は存在しなかった要素ですが、今回の決定の大きな部分を占めています。また、(人工芝であるB1Kを敷設することで)夏季の間も屋根を閉めて、チェイス・フィールド内をファンの皆様にとって最も快適な温度に保つことができるようになります。これは、ここ数年間で年々難しくなってきていた問題です。
フェニックスの気候の下、チェイス・フィールドで天然芝を養生することの難しさは広く認識されており、当球団は何年もの間、代案を模索してきました。そのような中で、業界最高峰のショウ・スポーツ・ターフ社が、常時利用可能なプレーフィールドを提供し、試合をする選手たちへの恩恵をもたらしてくれるだけでなく、ボールパーク中のファン体験をも向上させてくれる新技術を開発してくれたこともあり、今回の決断に至った次第です」
チェイス・フィールドの新たなプレーフィールドは、1998年のボールパーク会場時とほとんど変わらない姿で整備され、マウンドとホームプレートの間の直線部分はこれまで通り土のままとなる。
また、今回の変更にはダイヤモンドバックスが重要視するサステナビリティ保全事業も関係している。人工芝を敷設することで日中も屋根を閉じていられるため、冷房に必要な電力の省エネが実現できるだけでなく、散水用の水は毎シーズン200万ガロンほど節約でき、これは現在の90％減にもなる。
ここ数年の画期的な技術の向上もあり、インディナポリス・コルツやシンシナティ・ベンガルズをはじめとする米国のアメフト・プロリーグ(NFL)の全32チーム中14ヶ所のホームスタジアムが人工芝のフィールドを採用するなど、人工芝はプロスポーツの世界で広く受け入れられている。
また、ルイジアナ州立大学、ブリガムヤング大学、ヴァンダービルト大学、ミズーリ大学、ヴァージニア工科大学、コロラド州立大学といった多くの大学のアメフトや野球の現場でも広く普及されている。
なお、ショウ・スポーツ・ターフの人工芝は、オフシーズン中にトーキング・スティックにあるダイヤモンドバックスの練習場「ソルトリバー・フィールズ」でも敷設され、同球団に所属する全ての選手が新しい人工芝のフィールドを利用できるようになる。
ショウ・スポーツ・ターフのチャック・マクラーグ副社長は、ダイヤモンドバックスに同社製品を提供することについて、次のように話した。
「アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、球団経営の様々な面において革新的なアプローチを実践する球団として知られており、このプロジェクトで同球団と協働できる機会をいただき大変嬉しく思っています。
導入に向けた協議において、球団は常に選手の安全性を最優先事項として重視していました。当社の製品は、現在MLBで使用されている最高の天然芝のフィールドと同レベルのフィールドを提供できると自負しております」
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元記事 - DIAMONDBACKS TARGET GREEN GOALS, FAN BENEFITS FROM FIELD SWITCH
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