カーン氏、ウェンブリー買収案を取り下げ
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(画像:Kolforn)

アメリカの実業家で、サッカーのイングランド・プレミアリーグ(1部)のフルハムFCや米・アメフトプロリーグ(NFL)のジャクソンビル・ジャガーズを所有するシャヒド・カーン氏は2018年10月17日、イングランド・サッカー協会(FA)と交渉を続けてきた「サッカーの聖地」のウェンブリー・スタジアム買収を断念した、と発表した。

カーン氏が提示した買収条件のオファーに対し、予想以上に強い風当たりが存在し、FA内の分断を招いたことを理由に挙げている。

FAは先週にも「健全な協議が続いている」と発表したばかりで、10月24日の臨時会合において買収案が決議にかけられる予定だった。

FA理事会は議決権を持つ127人の理事により構成されており、10月11日の会合ではFA首脳陣がカーン氏の買収案を支持する理由について説明を受けていた。

2018年4月にカーン氏が6億ポンド(約882億円)の購入金と、ウェンブリーのホスピタリティ・ビジネスの今後の収入から3億ポンド(約441億円)を支払う案を提示して以降、契約内容の細部に関する交渉が続いていた。

FAのマーティン・グレン最高責任者(CEO)は交渉決裂について、次のように話した。

「2018年4月、イングランドFAはシャヒド・カーン氏からウェンブリー・スタジアムの買収案を提示されました。

買収案の内容は信頼性が高いもので、FAも真剣に検討を重ねましたが、本日、カーン氏から買収交渉の終了が通告されました。買収案は取り下げられましたが、FAはカーン氏の決定に敬意を表します。

カーン氏は、同氏が提示したウェンブリー・スタジアム買収案は、地域コミュニティが利用するサッカー施設の向上につながると考えていましたが、直近の会合においてカーン氏から、サッカー界全体が今回の買収案を支持しておらず、同氏の提案はサッカー界を分断する要素として認識されていることから、同氏は買収案を取り下げることを決定した、と伝えられました」

買収案が合意に至っていた場合、ウェンブリー・スタジアムの名称は維持され、また、同スタジアムを本拠地とし、ロンドンをホームタウンとするNFLフランチャイズ球団設立の最終承認権もFAに帰属するはずだった。

カーン氏が所有するジャガーズはこれまでにも年に1回ウェンブリーで公式戦を開催しており、10月28日には同スタジアムでフィラデルフィア・イーグルスを迎え撃つが、ジャガーズは本格的にロンドンに拠点を移すと憶測されていた。

先週の会合では、「ウェンブリーがイングランドのナショナル・スタジアムのステータスを保持する」ための課題について協議された、と報じられている。

また、FA役員会は、理事会が買収案を全会一致で支持するよう努力したが、強い拒否反応を示す理事が複数存在したため、これが難しくなったとも報じられていた。

グレンCEOは次のように話した。

「ウェンブリーは世界が認める象徴的なスタジアムで、今後もFAによる所有および管轄の下、成長を続けていくことでしょう。

買収に関する議論について、賛成・反対の双方の立場から様々な意見が出ましたが、イングランド国内の地域コミュニティ用サッカー施設の拡充には、依然として巨額の投資が必要であるということについては、広く認識されたのではないでしょうか。

交渉中、サッカー関係者の皆様、政府、そしてFA役員会およびFA理事会の皆様が様々なかたちで協力してくださったことに感謝いたします。今後も地域コミュニティ用サッカー施設への革新的な投資スキームを確立するため、皆様と協力していきたいと思っています」

※金額はすべて2018年10月下旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Khan withdraws Wembley takeover bid

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