2022年FIFAワールドカップ・カタール大会の開催ベニュー候補、アル・ワクラ・スタジアムの整備事業は、屋根構造の開口部の設置が完了し、竣工にまた一歩近づいた。
開口部(オクルス)の梁は重量378トン、長さ92mの鉄骨構造で、ピッチから50mの高さに設置された。20日間かけて建設現場で溶接され、組み立てられたこの梁は、屋根全体を支えるだけでなく、稼働部分の維持管理作業用のアクセスも提供する。当初は6分割されて仮設フレームに取り付けられ、最後に屋根に引き上げられた。溶接、組み立て、設置に要した作業期間は合計で40日だ。
完成後、スタジアムの可動式屋根はPVC(塩化ビニル樹脂)酸化チタン膜の両面コーティングにより、数本の鋼線を使って約30分で閉じることが可能になる。屋根はピッチ全体に日陰を提供し、同スタジアムの革新的な冷却システムの効率向上に寄与することになる。
カタールで最も歴史的な場所に位置するアル・ワクラ・スタジアムのデザインは、海と共に生きてきたアル・ワクラの伝統を表しており、何十年もの間、アル・ワクラ沿岸の象徴的な存在であったダウ船が屋根の形状のモチーフだ。
40,000人を収容し、グループリーグと準々決勝まで試合を開催する予定の同スタジアムの主な工事は今後12ヶ月間で完了する見込みだ。座席はすべてカタールのコースタル(Coastal)社が製造しており、現在設置作業が進んでいる。
2022年大会組織最高委員会(SC=Supreme Committee for Delivery & Legacy)のアル・ワクラ・スタジアム担当プロジェクト・マネージャーのタニ・アル・ザラー氏は、屋根の設置は同スタジアムのの最終段階のマイルストーンのひとつだと強調し、次のように述べた。
「スタジアムのユニークで記憶に残るデザインが形になってきました。屋根の設置はプロジェクトにとって大きな一歩で、ほぼ最後の1ピースと言っても過言ではないでしょう。
もうすぐ、(地元チームの)アル・ワクラSCのクラブカラーである青と白の座席の設置も始まり、いよいよ完成が視野に入ります。スタジアムの進捗状況に、地元に住む方もカタール全国の方々も驚くのではないでしょうか。落成の日を待ちきれません」
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元記事 - Roof oculus installed at Al Wakrah Stadium
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