米・ボイシのタコベル・アリーナは、自閉症や認知症に苦しむ観客が、安心してライブイベントを楽しめる環境整備に乗り出し、米国初のセンサリー対応大学アリーナ(Certified Sensory Inclusive College Arena)として認定された。
収容人数13,000人のタコベル・アリーナは、アイダホ州のボイシ州立大学と、その総合運動部であるボイシ州立大学 ブロンコス(バスケ、バレーボール、アメフトなど、様々な競技における同大学代表チームの総称)の本拠地で、センサリー施設などのサポートを必要とする感覚過敏の観客も含め、すべての来場者が楽しめる観戦環境の提供を目標としている。
タコベル・アリーナでは、試合やイベントの開催中に、感覚過敏で苦しむ観客をサポートするアイテムが入ったセンサリー・バッグを50セット用意している。各バッグにはノイズキャンセリングヘッドホン、手持ち無沙汰やストレスを解消するおもちゃ数種類、言語キューカード、ウェイトひざ掛けが入っている。
(画像:Taco Bell Arena/Idaho Press-Tribune)
タコベル・アリーナは今回の取り組みで、自閉症や認知症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった症状を持つ人の間隔過敏について、多くの啓発活動を行なっているNPO団体のカルチャーシティ(KultureCity)と協働した。間隔過敏に苦しむ人々は、ライブイベントは刺激が強すぎる場合があるが、センサリー・バッグの中には、そのような刺激を緩和し、サポートするよう開発されたグッズが揃っている。
カルチャーシティのエグゼクティブ・ディレクター、トレイシー・ジョンソン氏は以下のように話す。
「(ボイシ州立大学のような)大規模な大学が、健常者であるかどうかにかかわらず、地域コミュニティのすべての人の生活を向上するために、このように重要かつ画期的な変革を実現したことに、本当に驚きました。
センサリー対応のアリーナを持つのは、ボイシ州立大学が大学としては初めてで、今回の取り組みは、高等教育機関における包括的なバリアフリー環境整備の実現に向けた運動の先駆けといえるでしょう」
カルチャーシティはこれまでにも、NFLスーパーボウル、NFLプロボウルといったイベントや、NBAのアリーナ(19カ所)、NFLやMBLのスタジアム、そして動物園や科学館、水族館など、米国中の数多くの施設のセンサリー対応プログラムを開発している。
感覚過敏は自閉症や認知症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった症状を持つ人が体験することのある症状で、騒音や音響、人混みといった外的環境を要因とした刺激を受ける特徴がある。
タコベル・アリーナの広報担当者は以下のように話す。
「イベントやスポーツの会場の刺激要因は、どのようなライブイベントでも発生しうるものなので、感覚過敏の観戦客の方のために刺激の緩和策を提供することが非常に重要になってきます」
Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - TACO BELL ARENA IN SENSORY FIRST
THE STADIUM HUBの更新お知らせはこちらをフォロー
Twitter:@THESTADIUMHUB
Facebook:THE STADIUM HUB