ウルグアイ政府は、首都モンテビデオの歴史的象徴である「エスタディオ・センテナリオ」の再開発事業について、6種類の提案を比較検証している。
同国のスポーツ長官のフェルナンド・カセレス氏はAP通信に対し、2018年現在、エスタディオ・センテナリオについては、既存施設の改修案から、スタジアムを一旦解体し、同じ敷地内に新たなスタジアムを整備する案まで、6種類の改修案が提示されており、各提案の実現可能性を評価している、と伝えた。
収容人数60,000人のエスタディオ・センテナリオは、第1回FIFAワールドカップ(W杯)を開催するため、1930年に建てられた。なお、1924年(パリ大会)と1928年(アムステルダム大会)の夏季五輪で2大会連続で金メダルを獲得したウルグアイ代表チームを讃えて建てられた高さ100mの塔は、今回提示された6案すべてで保持されている。
カセレス氏は以下のように説明した。
「センテナリオの維持管理費は非常に高く、また、現代的なスポーツ・エンターテインメントの開催には適していないため、これ以上の現状のまま利用していくことはできません」
しかし、同時に、同国のサッカー文化を象徴するセンテナリオを取り壊すことで、ウルグアイの国民は大きなショックを受けるであろうことも認めた。
「もちろん人々にとっては大事なことです。私自身、改修案の話を聞いたときは強い抵抗感を感じましたが、ウルグアイでは、どんな建設工事に対しても反対意見が出るものです」
2018年現在、エスタディオ・センテナリオでは、ウルグアイ代表の国際試合と、同国最大の2クラブであるCAペニャロールとナシオナル・モンテビデオの一部のホームゲームが開催される。カセレス氏は、新たなセンテナリオ建設のために、最大で3億米ドル(約328億円)が投資される見込みで、今後4ヶ月以内に設計案が選定される可能性がある、と話した。
ウルグアイは、アルゼンチンとパラグアイと合わせて3カ国で、2030年FIFAワールドカップの共催を目指しており、4月に12ヶ所の開催都市を発表したばかりだ。
3カ国のサッカー協会と政府関係者が一堂に会したブエノスアイレスの協議では、開催候補都市の内、8ケ所がアルゼンチンの都市で、パラグアイとウルグアイはそれぞれ2ヶ所ずつが開催都市になる案が発表された。
アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの3カ国は2017年11月に2030年FIFAワールドカップの共催に向け、正式にパートナーシップ協定を結んでいた。パラグアイは2017年8月に招致プロジェクトへの参加を表明した。
※金額はすべて2018年5月下旬で換算
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元記事 - DEVELOPMENT OPTIONS ASSESSED FOR HISTORIC ESTADIO CENTENARIO
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