サッカーのフランス・リーグ・アン(1部)のFCナントは、建設予定の新スタジアム「イエローパーク・スタジアム(YelloPark Stadium)」のデザインを発表した。
収容人数は40,000人の予定で、設計はアトリエ・トム・シーハン&パルトネール(フランス)とHKS(米国)の協働チームが担当した。
新スタジアムには、快適性の向上と二酸化炭素排出量の削減を目的とし、固定式と開閉式の屋根を設置する。固定式屋根の面積は25,500㎡で、中央部分の開閉式オクルスの面積は12,000㎡となり、悪天候時にもすべての観客を保護するシェルターとして機能する。
また、屋根に保護されながらスタジアム周辺を簡単に往来できるように、外周の面積は可能なかぎりコンパクトに設計されている。
なお、将来的な有効な検証結果が出た場合、スタジアムと開発地区の電力ニーズを満たせるよう、25,500㎡の屋根を太陽光発電に使う可能性もある。
開閉式オクルス(直径125m)は、自然光の採り込みとピッチの通気に最適な設計になっており、グローライトの使用回数削減が見込める。
屋根や周囲の遊歩道で取水された雨水は、スタジアムで再利用されるか、地下水に戻される。
立地場所の自然な地形に沿うかたちで、スタジアムには、公共駐車場や都市インフラなどの機能を覆い隠す高台を設置する。この高台は、南に延びるブルヴァール・ペリフェリック(都市高速道路)と西に延びるルート・ド・サン・ジョゼフの上に建てられる。
スタジアムの南西の角側から主要道路や歩道にアクセスできるようにすることが目的で、将来的には南に向かう歩道橋も整備する予定だ。高台は西向きの展望台の機能も持ち、また、緩やかな坂や階段でスタジアム地区の北東の中心部にアクセスできるようになる。
スタジアム東側はレストランやカフェ、店舗、そしてFCナントのクラブミュージアムなどに囲まれた広場となり、スタジアム地区全体でマッチデーもノンマッチデーも様々なイベントが開催され、同時に利便性に飛んだアクセスを提供する都市部の多目的エリアとして集客に貢献する構想だ。
スタジアムの入場ゲートは、チケットの種類によって区別し、各入場ゲートに独自のファサードが設置される。
内部は、水平方向に成層している従来のスタジアムの構造実態を再考し、観戦に最適な中層部分の価値を最大化することで、各セクションの観客に向けた観戦体験を提供する。観戦席の選択肢やホスピタリティ・パッケージの種類を多様化することで、観客にユニークなスタジアム体験を楽しんでもらう趣向だ。すべての観客に上質なサービスや快適性、テクノロジーを提供し、チケット購入日からマッチデー当日までの期間もイベントに参加している感覚を醸成する。
▼イエローパーク・スタジアムの仕様に関する基本情報
- 客席数 - 40,000席
- 屋根のオクルスの直径 - 125m
- ピッチ上の自由空間の高さ - 37m
- 主な入場口 - 10ヶ所
- 360°の大型スクリーン - 1台
- クラブミュージアムの面積 - 1,000㎡
- ホーム側ゴール裏の客席数 - 7,000席(1層型スタンド)
- メディア席 - 150席
- 会議室の座席 - 150席
- クラブショップの面積 - 600㎡
- 固定式屋根の面積 - 25,500㎡
- 開閉式屋根の面積 - 12,000㎡
イエローパーク・スタジアムは、2022年の開場を予定している。
©2018 PanStadia & Arena Management - reproduced with permission.
元記事 - FC Nantes unveil new stadium design
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