イングランドのサッカーチャンピオンシップ(2部)に所属するフルハムは、本拠地クレイヴン・コテージのバックスタンドあるリバーサイド・スタンドの改修計画について、開発許可を取得した。開発許可は、2018年3月20日のハマースミス・アンド・フラム・ロンドン自治区での公聴会後に交付された。
今回の改修計画では、2017年10月にサポーターや地元住民と協議を実施し、12月に計画案を申請していた。
クラブは以前にもリバーサイド・スタンドの改修案を申請し、2013年に開発許可を取得していたが、今回の改修案には、マッチデーおよびノンマッチデーにおけるユーザー施設の向上に加え、パットニーからハマースミスまでの川岸を結ぶ遊歩道の開通も含まれる。
設計を担当した建築事務所のリッチフィールズ(Lichfields)社は、イブニング・スタンダード紙に対し、以下のように説明した。
「クラブの目標は可能なかぎり早くプレミア・リーグ(1部)へ戻ることで、クレイヴン・コテージもその目標に合致するスタジアムでなければなりません。川の遊歩道を実現するには、現在の護岸堤防線をはみ出すかたちで、カンチレバー構造にするしか方法はありません。遊歩道の下を水が流れる方式です。フルハムはスタジアムの収容人数を増やし、関連施設を改善する必要があり、そのためにはリバーサイド・スタンドの拡大改修が不可欠です。」
今回の改修計画では既存のスタンドを解体し、新たにスタンドおよび併設の複合施設を整備する。新スタンドには約4,000席が増設され、クレイヴン・コテージの収容人数は現在の25,700人から29,600人になる。また、改修後、リバーサイド・スタンドには店舗やカフェ、高級マンションなども併設される。
だが、建設予定の遊歩道は、現在は閉鎖されている川岸を開通することになり、一部の住民の反感を買った。
ジェーン・スウィズィンバンク氏はイブニング・スタンダード紙に以下のような懸念を伝えた。
「ここはとても美しくて閑静な一帯なんです。フルハムが用地を保持するだけでなく、川にはみ出すカンチレバー構造でさらに多くの空間を手に入れようとしていることに、愕然としています。こんなことをすれば、他の不動産デベロッパーにとっての悪しき前例となってしまいます。」
また、別の住民も「近隣のバーンズ湿地センターや川の両岸の緑地のおかげで、この辺には豊富な種類の鳥類が分布しています。川にはみ出すような巨大な建造物は、この環境を台無しにしてしまいます。」と話した。
イブニング・スタンダード紙によると、遊歩道はマッチデーには閉鎖され、観客だけが利用できるようになる。また、スタンド背後と周辺のマンションはクラブを所有するシャヒード・カーン氏と新加入の選手が利用する予定となっている。
現在、プレミア・リーグへの昇格争い真っ只中のフルハムによると、建設スケジュールは近日発表予定だが、2019年夏には建設工事を開始できる見込みだ。
フルハムのアリステア・マッキントッシュCEOは以下のように語った。
「開発許可を取得できたことをクラブ一同喜んでいます。クレイヴン・コテージは1806年以来、フルハムの本拠地として親しまれており、今回の許可取得はサポーター、地域コミュニティ、そしてクラブに関係する全ての皆様にとって素晴らしいニュースです。必須要件を満たしつつ、リバーサイド・スタンドと通年利用可能な施設の改修を実施することで、クラブの未来を保護しながら世界屈指のスタジアム施設をもたらす、というクラブ会長の長期的ビジョン達成のお手伝いができることが楽しみです。」
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元記事 - FULHAM GETS GREEN LIGHT FOR STADIUM REDEVELOPMENT
元記事 - FURY OVER FULHAM'S THAMES WALKWAY PLANS
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