イングランドのラグビー、プレミアシップ(1部)のレスター・タイガースが本拠地ウェルフォード・ロードに導入した飲食注文アプリの「SwipeStation(スワイプステーション)」。マッチデー体験の向上を目的として導入されたが、すでに現場では大きな人気を博している。
観客はスタジアム内のどこからでもSwipeStationで飲食メニューを注文できる。スタジアム内に点在する発券ユニットで発券したレシートを交換ブースに持っていくと、そこで注文した飲食物を受け取ることができる。多くの観客が一斉に並ぶ必要がないため、早く簡単に商品購入ができる仕組みだ。
利用者の90%が「簡単で効率的」と太鼓判
タイガースでは当初、SwipeStation を1ヶ所のスタンドでのみ導入していたが、2月17日のハーレクインズ戦では、スタジアム全体で実証実験を行なった。ウェルフォード・ロードのコンコースの混雑を緩和し、サポーターの観戦体験を全体的に改善する狙いだ。
「ほとんどのスタジアムで起こることですが、飲食メニューを購入する来場客は、試合開催中の特定の時間帯に集中して列に並び、注文をするため、ボトルネック状態になります」とTheStadiumBusiness.comに話してくれたのは、レスター・タイガースのブランド部長、クリス・ローズだ。
「ですので、私たちは、観客が座席で飲食メニューの注文ができ、しかも、Wi-Fiを使わないオフライン・サービスとして利用可能なソリューションを探していたのです。SwipeStationは、私たちのニーズを満たしてくれる最強のツールだと感じました。」
「初期のトライアルで、観客は好意的な反応を示しました。試合中、90%の利用客がSwipeStationを簡単に使うことができ、効率的だったと言ってくれたので、さらに拡大して実験することが重要になりました。」
その試合で、タイガースはハーレクインズに33-18で勝利し、スタジアム全体での実証実験の成功と合わせて、喜びは倍になった。
平均購入金額は12ポンドに
「試合当日、アプリのダウンロード回数は250回に達し、購入総数の60%がリピーター客によるものでした」とローズは話す。
「スタジアム全体のSwipeStation ATV(Average Transaction Value=平均購入値)は、初めて12ポンドの壁を突破しました。試合中、何人かの観客に感想を聞きました。彼らは、SwipeStationのサービスがスタジアム全体で利用でき、新サービスを利用すれば、早く効率良く商品を購入できることを喜んでいました。」
「クラブは飲食販売サービスのCenterplate(センタープレート)社とプロフィットシェアしていることもあり、製造される商品数は増えました。結局、観客のマッチデー体験を向上することで、クラブもファンやサポーターが抱える問題を解決しようと努力していると認識されるのです。最終的には、SwipeStationの導入と利用にかかる費用をカバーできればいいわけですから、何も問題はありません。」
レスターの今シーズン残り3試合のホームゲームでもSwipeStationのサービスは利用できるため、ローズはシーズンが終わるまでSwipeStation人気が続くことを願っている。
「スタジアム全体で実証実験を行なったのはまだ1試合だけですので、今後、列に並ぶ時間はさらに短縮されると予想しています。お客様1人あたりの平均購入額はすでに増加が認められています。シーズン閉幕後の実験結果を見るのが楽しみです。もちろん、結果はサポーターたちにも見てもらおうと思っていますよ。」
2017年末には、ウェルフォード・ロードの近くに新たにホテルを建設する計画が公表された。ローズはTheStadiumBusiness.comに対し、周辺地域の開発に伴い、来場客のマッチデー体験のさらなる向上を見据え、ファンゾーンも設置されると話す。
また同クラブは、サポーターや観客による写真の共有、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)の投票への参加、試合のライブ解説やSwipeStationサービスへのアクセスなど、多くの機能を備えた「タイガース・モバイルアプリ」を発表したばかりだ。
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元記事 - SWIPESTATION APP PROVING A HIT FOR LEICESTER TIGERS
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